【開催にあたって】 コーデックス委員会という組織をご存じでしょうか。コーデックス委員会は、1963年に国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)によって設立された食品の国際規格を作成している政府間組織で、現在180か国以上が加盟しています。コーデックス委員会の目的は、消費者の健康を保護することだけでなく、食品の公正な国際貿易を確保することです。例えば、微生物規格で考えると、食中毒の発生を防止するために食品の中にはサルモネラや黄色ブドウ球菌などの食中毒菌が陰性であることなどの規格が設定されているものがあります。確かに食品が食中毒菌に汚染されていないことは良いことですが、そのことを確認するためには検査を行う必要がありますし、少量摂取したぐらいでは食中毒にならない食中毒菌もあります。つまり、一見すると食品安全上必要と思われる規格でも、実は自国の農業や食品産業を守るために作成されたもの(国際貿易の障壁)である可能性があります。 食品の国際貿易は、今後一層盛んになると予想され、コーデックス委員会による国際規格作成の実態を理解することは、国内の農業及び食品産業の発展に役立つものと思います。本セミナーでは、国産畜産物の食中毒菌汚染状況を含め、食品の国際規格(特に微生物規格)の作成状況についてご紹介します。
質問OK
初~中級者向け