ウクライナ情勢で顕在化した日本のエネルギー安全保障
~地方行政が”今”できること~
(2022年6月21日収録)
ウクライナ情勢で日本のエネルギー安全保障の危うさも顕在化した。もっとも早く拡大可能な太陽光発電の導入加速が期待されるが、FIT単価の下落や土地利用や地域合意の困難さから、その新規案件規模は減ってきている。
しかし、事業者の創意工夫で、多様な自家消費型スキームの登場やコスト削減などが進み、昨年度には、新規案件規模はV字回復を見せた。
これらにより、地方公共団体にとっても、太陽光発電設備を導入し易くなっている。また、環境省による補助金や交付金も手厚くなっており、さらに温対法改正にて継続的な国の支援も明記されるため、今後も継続した支援が期待でき、導入を検討し易い状況である。
地方経済にとっても、再エネが地方経済の新たな収益源の1つとなることが期待される。日本が海外に支払っていた化石燃料のお金が地方に還流するようになれば、エネルギー安全保障と地方経済の問題の両方が改善されることになる。
本セッションでは、世界の情勢から日本の制度動向を踏まえた上で、地方公共団体が太陽光発電を積極的に導入していくための具体的な手法をお伝えする。
1.ウクライナ情勢と世界
2.日本におけるエネルギー安全保障問題
3.国の政策動向
4.公共施設への具体的な導入方法
5.地域主体での発電事業の促進
講師:自然電力株式会社 未来創造室エキスパート 川島悟一氏
東北大学大学院理学研究科博士前期課程修了。
2001年、荏原製作所に入社、環境・エネルギーに関する新規事業開発。
2006年、博報堂にて、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」の企画・ディレクション。
2007年、環境コンサルタントとして独立し、企業や地方行政の温暖化対策の立案。
2009年、内閣府にて「新しい公共」のための環境整備となる政策立案。
2013年、自然電力に入社。太陽光開発、電力協議、小水力・バイオマス開発、電力小売事業などを担当。現在、中長期的戦略、政策渉外、新規事業などに従事。