Ⅰ.NST活動と地域包括ケア
-チームで行う栄養サポートが、高齢者の医療・介護を支える-
米国で1970年代に病院内の栄養サポートのチーム医療としてNSTが誕生した。それに遅れること四半世紀、本邦でもNST活動始まり、現在はチーム医療の代表的な活動にまで発展した。本邦NSTの特徴は、経口・経腸栄養を中心に、「食べて直す」NSTという点である。病院内チーム医療として発展してきたNSTであるが、本邦の高齢化社会に対応するため、在宅や地域での活動も行われるようになっている。①病院では急性期から回復期・慢性期へ、②医療から介護へ、③治療から予防へ、とその活動を広げている。高齢化社会への対応策である地域包括ケアシステムを下支えするのは、リハビリを含めた地域一体型NST、在宅NSTの活動と言える。
Ⅱ.看護師の視点から栄養管理の基礎
食事摂取量減少、体重減少は生命を脅かす可能性のある栄養障害リスク因子です。その要因は様々ですが、医療職の無知による「不適切な栄養管理」「不適切な安静」を回避することが重要です。
本セミナーでは、高齢者特有の身体的変化、心理社会的変化を踏まえて、「適切な栄養管理」と「適切な活動」を支えるポイントをレクチャーします。これまでのご参加者の皆様にもわかりやすいと好評を頂いていますので、ぜひ、ご参加ください。
Ⅲ.NST活動における食支援のヒント
-質の高い栄養マネジメントを目指して-
「栄養介入が必要な患者はどう拾い上げたら良いの?」「栄養マネジメントにおいて、どうやって他職種又は管理栄養士と連携すれば良いの?」「栄養マネジメントがなかなかうまくいかない。」等、日々の栄養マネジメントやNST活動で悩まれている方は多いかと思います。当院でのNST活動の実際や、食事摂取量が少ない高齢患者等に対する食事の工夫、栄養補助食品の活用等の食支援のヒントをご紹介します。みなさんの日常業務のヒントにしていただき、質の高い栄養マネジメントをめざしましょう。