<第1部>薬価改定/償還改定に伴う価格交渉の実務
2022年度(令和4年度)の診療報酬改定率は診療報酬本体をプラス0.43%(国費300億円程度)、薬価がマイナス1.35%(同マイナス1,600億円程度)そして材料価格がマイナス0.02%(同20億円程度)となりました。診療報酬本体がプラス改定となって恩恵を受けるのは国の政策に沿った医療を行っている医療機関であり、それぞれの地域や医療機関の特性によってその政策誘導に乗っかれるとは限りません。しかも、いわゆる薬価差益や償還差益が事実上の医療機関における秘めたる収益源(あるいは損失回避手段)となっている以上、薬価(償還価格)が下がるということは策を打たねば薬価(償還)差益も下がってしまいます。
かといって無闇に医薬品卸や診療材料ディーラーに値引きを求めても「(差益)額スライド」はおろか「(差益)率スライド」すら達成できず、いたずらにその収益額の悪化を傍観することになるでしょう。
本講では、「いつから」「誰に対して」「どのように」価格交渉をすべきなのか、交渉相手である営業パーソンの心理を読み取りながら決して恫喝ではない科学的な交渉実務をお話いたします。
<第2部>委託費(業務委託/役務委託/保守委託)の価格交渉手法
本講後半では診療報酬改定に直接的に関係はしないものの、間接的には影響を及ぼしており、かつ昨今の社会情勢(原油価格相場/最低賃金相場/働き方改革/医療DX)の変化によって見直しが必須となっている委託費のローコストオペレーション(LCO)についてお話させていただきます。
この委託費はそれぞれの病院ごとに契約内容もカスタマイズされていて、薬や診療材料のような「ベンチマーク」はあまり役に立ちません。しかしながら、そのカスタマイズされている契約内容も紐解いていけば結局の所「単価×委託数量」に落とし込むことができるため、最終的には「単価が高いのか(安いのか)」、あるいは「委託数量が多いのか(少ないのか)」といった分析が可能となり、自院の委託費について「なにを」「どう」見直すべきなのかは判断可能です。
これら委託費のLCOをおそらく最も数多く手掛けてきた当社のノウハウをしっかりとお伝えいたします。