Ⅰ.シームレスな連携が重要となる在宅医療の世界
2022年診療報酬改定は、在宅医療の診療所にとってはほぼ変化はありません。診療報酬上の大きな変化はありませんが、連携先との関係が濃密になります。病診連携、診診連携もこれまで以上につながりが深くなります。薬局においてはこれまで診療所だけのお付き合いでしたでしょうが、この改定からは退院前のカンファへの参加が必要になります。退院前からの参加が処方箋の数に関わってくるかもしれません。病院との連携だけでなく地域支援体制加算2に関する施設基準による算定基準は大きく変わりました。これまで以上に在宅医療に関わる必要があります。
Ⅱ.薬局経営のパラダイムシフト
「繁盛している医療機関に近接して出店すれば、あとはリスクマネジメントに気をつけ、待合室のアメニティを改善し、調剤の機械化を進めれば経営は安定する」。そんな常識が崩れつつあります。調剤併設のドラッグストアの台頭や新型コロナウイルス感染症による長期処方化と受診控えに加えて、2022年度の調剤報酬改定では、対物中心から対人中心へというシフトが秋からになった他、オンライン服薬指導の適応拡大とリフィル処方箋の解禁が行われ、来年1月からは電子処方箋の導入も予定されています。このような激動の時代には、薬局経営の在り方も大きく変える必要があります。薬局経営者が押さえておくべきパラダイムシフトの概要と、その対応策をお話します。