Ⅰ.地域起点の脱炭素・エネルギー戦略
近年、パリ協定や2050年の温室効果ガス実質ゼロの長期目標のもと、脱炭素イノベーションによる地域社会・経済システムの変革が不可避な状況となっています。地方公共団体においても、環境省による脱炭素先行地域の選定が進むなど、その取り組みが加速され、地域一体での脱炭素は社会的命題となっています。
本講演では、こうした、地域を起点とした脱炭素・エネルギー戦略を、近年の脱炭素・エネルギー関連の動向整理のもと、官民連携型のビジネス創出の視点から解説します。
Ⅱ.石狩市における再エネ地産地活の実現に向けて
脱炭素社会の実現には、再生可能エネルギーが多く賦存する地方部が鍵を握っています。また、地方分散型の活力ある地域社会の実現に向け、再エネはゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。石狩市では、北海道を代表する産業拠点「石狩湾新港地域」内において、この地域内の非化石電力を直接供給することを目指す「REゾーン」を設定することによって、地域の再エネを地域価値へと繋げ、地域の脱炭素と産業集積の両立を目指しています。
Ⅲ.横浜市の「Zero Carbon Yokohama」実現に向けた取組
横浜市は、2018年にSDGs未来都市として国から選定され、同年に2050年脱炭素化「Zero Carbon Yokohama」の実現を掲げました。脱炭素化を本市の成長戦略の一つと位置付け、様々な主体と連携しながら取組を推進しており、脱炭素イノベーションの推進の取組や広域自治体との再エネ連携・地域交流、環境・経済・社会的課題の統合的解決を図る「横浜型大都市モデル」の創出に向けた取組をご紹介するとともに、今年4月に選定された脱炭素先行地域『みなとみらい21地区』での取組の方向性などについてご説明します。