再生可能エネルギーの普及に伴い大型の蓄電池システム導入が加速している。その一方で、蓄電池システムの火災事故も増大しており、全世界では毎年10件を超える火災事故が発生しており、減少する気配はない。日本は2011年に
世界最速で大型蓄電池の総導入量が1GWhを超えたが、火災事故を契機に導入量は伸び悩み、現在は導入量で世界各国から大きく差をつけられている。このような現状を変えようと電力系統向けの蓄電池の設置に補助金が導入され始めているが、導入用件に類焼対策が求められることが増えている。これは前述の世界各国の蓄電池システム火災の分析に依るところであるのだが、その重要性を完全に理解している人は少ない。よって、本講演では火災事故の分析から、実際の類焼対策まで実務に必要な知識を網羅的に詳説する。