医療機関へのサイバー攻撃の増加により、甚大な被害が増加している。また、コロナ禍への対応や医療者の働き方改革への対応ということもあり、リモート運用の必要性も高まっている。福井大学では、プライベートクラウド化を15年前から開始し、2021年からはパブリッククラウドへの移行を行ってきた。これらの経験から、話題のサイバーセキュリティ対策にどのように役立っているかや、リモート運用における優位性について、運用経験を基に解説する。
また、クラウド化によるシステムの構成とともに、IoT活用による業務改善やDX運用への実際の対応や医療安全・感染対策への応用についても紹介する。特に、セキュリティ対応としては、ガイドライン改定や診療報酬改定での施設基準の強化や、令和9年度からの多要素認証必須化など対応が急がれる事項が増えていることもあり、今後の動向を踏まえての考慮点や実現方法について、実際の運用から対応方法を解説する。