Ⅰ.情報分析から見えてくる未来の企業像そしてビジネスチャンス
パート1では、ビジネス情報収集・活用のプロの視点から、SDGs時代の企業の生き残りのヒントそして生き残りのために欠かせない新たなビジネスチャンスについて解説いたします。
常識が通用しなくなりつつある世界の変化、新たな産業登場によるビジネス構造の変化、世界に先んじて進む少子高齢化等日本の重要な変化、フロッグジャンプ現象による新興国の大躍進等々私たちを取り巻く環境は劇的に変化していこうとしています。人類がまだ経験したことがない世界をこれから泳ぎ切る上で大切なことは「潮流を掴む」「潮流を先読みする」ことだと考えます。
各企業の皆様にとって、様々な情報の読み解きを通じて、未来の成功につながるヒントとなればうれしく思います。
Ⅱ.SDGs時代に生き残る企業の条件 -情報を制するものが世界を制する-
2015年ジョン・チェンバースは、大企業の40パーセントは、10年後にはもう生き残っていないだろうと予測した。コロナ禍、ウクライナ紛争、世界的インフレさらにはスタグフレーション、米中対立、により企業を取り巻く環境は激変している特に、企業経営を根本的にかえるSDGsがゲームのルールを変え、企業の生き残りをかけた戦いが2021年から始まった。その大規模な生き残りのパラダイム転換(ルール変更)は以下の5つです。
(1)産業(製造業を中心とした)バリューチェーンから、情報(GPFを中心とした)バリューチェーンへの転換(全てが情報サービス業)
(2)社会課題(SDGsの17の開発目標)の解決 (3)人とITの新たな関係 (4)国内規制緩和と新たなグローバル規制
(5)国家機能の変質(公共セクターのビジネス化、国境の消滅)
この5つのパラダイム転換を乗り越える企業の条件とは、なんでしょうか?
【インダストリー2.0時代の生き残りの条件】
●行動の重視 ●顧客密着 ●自主性と起業家精神 ●人を通じての生産性向上 ●価値観に基づく実践 ●基軸から離れない
●単純な組織、小さな会社 ●厳しさと穏やかの両面 (トムピーターズ エクセレントカンパニー1982年)
【インダストリー3.0時代の生き残りの条件】
●瞬間瞬間の適応 ●人が一番(チーミング) ●テクノロジー ●イノベーション ●付加価値としてのデザイン ●聞き上手
●多様性 (トムピーターズ 新エクセレントカンパニー AIに勝てる組織の条件 2020年)
これからの時代(SDGs、インダストリー4.0時代)のいき残りの条件はなんでしょうか?私は、インダストリー4.0(SDGs)時代の生き残りの条件は、以下の3つと考えます 一言で言えば、レジリエンス能力(しなやかさ)、具体的に言えば
(1)自己変革能力(自己客観視とレレバレント) (2)自己矛盾性(カオスと化学反応) (3)未来楽観性(ギバーと好奇心)
DXを使ってビジネスモデルやサービスモデルを作るのは、もはや前提であり、手段であり、これからは、実現のスピード、品質向上、コストだけでなく、情報をナレッジ、さらにはコアコンピテンスとしてのインテリジェンスにどう昇華するかの巧緻が未来を決めます。DX、オープンイノベーション、PFと言っていれば企画書ができた時代は終わりました。真に生き残る条件を、是非皆さんと考えていきたいと思います。