ここ数年のコロナの影響が、現在の社会状況における人々との関わりを今だけ変化させているのではなく、この先の社会構造自体に大きな変化をもたらすことが考えられます。
これまで「B2B」、「B2C」がマーケティングの中心と言われてきましたが、瞬く間に、インターネット、SNSが世界を席巻してしまいました。
そして今、コロナによる大きな変化が否応なく起きています。
コロナが収束したとしても、元の状況に戻ることは難しいでしょう。
フィリップ・コトラー氏が最近になって、「H2H(Human to Human Marketing)」と言う人間中心のマーケティングを提唱していますが、日本では古く、享保時代に活躍した石田梅岩が社会貢献を基盤とした「倹約」を旨とした教えを持って、人間を中心においた経営理念と実践を広めました。この教えは梅岩の死後もさらに発展し、「石門心学」として昭和初期まで日本経済の思想的支えとなっていました。
ここへきてようやく、世界のマーケティングの流れは、アメリカの「個人主義的資本主義」から離れ、日本に近づいてきたのでしょうか?
我が国はこの先、日本独自の「共存的資本主義」とでも言えば近いでしょうか、人々と人々の協働による共存する社会を目指していくことが重要なのではないでしょうか?
これは会社の未来においても重要な要素となります。
このことを踏まえて、実践することで、変化していく会社と社員がさらに育つことになります。
新しい時代を迎える今、唐突に古い時代の「石田梅岩」を取り上げたのは、当時の社会状況と経済志向が現在の状況と似ているからです。
当時の日本は徳川幕府の治安の安定によって、農産物の生産の急速な発展と流通システムの全国への普及が行われ、これが商業経済の発展に寄与しました。
これにより、いわゆる「元禄期バブル」が形成され、これが崩壊したのちに、収束として享保の改革が行われました。
しかし、未曾有のバブル崩壊によるデフレが石田梅岩が商家としていた京都においては、大店の7割が倒産してしまいました。
ここにさらに、人口が急激な減少を迎えます。
いかがでしょうか?
この話を聞いていて、現代の日本の社会状況と似ていないでしょうか?
社会経済の活力の低下と労働人口の低減はまさに現代のことではないでしょうか?
経済活力の低下と労働人口の低減を踏まえて、この先どのように日本を支えていくのか、そしてあなたの会社をどのように盤石に作り直していくのか。
これはあなたの会社の未来においても重要な要素となります。
このことを踏まえて、新しいやり方を学ぶことだけではなく、これまで培ってきたことと新しいことを結び合わせて実践することで、変化していく会社とあなたがさらに育つことになります。