AIは社会に多大な恩恵をもたらすがその危険性も大きい。銀行はAIでローン審査をするがそのロジックはブラックボックスで不合格になった理由が分からない。自動運転車の動作メカニズムが解明されない限り、安心してクルマに乗れない。AIが描いた絵がなぜ5千万円近くで売れるのか、不気味さを感じる。AIが社会に浸透するなか、その実態は謎で危険性が高まる。
この問題を解決する研究が世界で一斉に始まった。キーワードは「Intelligence」で、AIの知能を探求するプロジェクトが進んでいる。AIが知的になることで、説明責任を果たし、言葉を理解し、ロボットの頭脳を構成する。更に、人間の脳をベースとしたインテリジェンス開発が米国東海岸を中心に進んでいる。人工知能の「アポロ計画」とも呼ばれ、脳をリバースエンジニアリングしてそのアルゴリズムをAIに応用する。
世界で次世代AI開発が進むなか、日本はその潮流に取り残されている。世界でトップレベルの技術を持つ日本企業は巻き返しのチャンスがあるのか、その秘策を考察する。