2014 年のコーポレートガバナンス コード導入以降、わが国の企業経営におけるリスク管理のあり方は大きく変化しています。「会社は誰のものか」という古くからの議論を持ち出すまでもなく、ステークホルダー資本主義の色合いは濃くなり、環境・社会・ガバナンスといういわゆる ESG 課題への取り組みの巧拙が、企業の株価や風評に大きく影響する時代となりました。加えて、コロナ禍による勤務形態・サービス提供形態等の劇的変化とも相まって、リスク管理はますます複雑化しています。
この間、リスク管理手法やガバナンス高度化に向けた様々な取り組みが企業内で進行していますが、上場企業における「企業不祥事」という観点でみると、この間、皮肉にも発生件数は増加傾向を辿っているのが実情です。 企業不祥事には必ず危機管理対応が付帯しますが、他社事例をみて「このような稚拙な対応は当社ではありえない」と豪語していても、いざ、自身が当事者となると、必ずしもベストな対応がとれるとは限りません。実際、名だたる名門企業においても目を覆いたくなるような危機対応振りを露呈しているケースもあります。
本講座はこうした昨今の企業を取り巻く状況を踏まえ、実際に発生した企業不祥事ニュースを題材に、そこから得られる教訓や自社のリスク管理に生かせるノウハウを紹介し、実践に役立てていただくことを眼目とします。こうした危機への備えは、平時のうちに、俯瞰的な視野から、整理された情報をもとに実施しておくことが最も効果的であり、本講座はそうしたニーズにお応えすべく、今回新たに企画されたものです。
本講座では、①最近の企業不祥事及びそれへの対応の傾向 ②実際の不祥事対応に学ぶ教訓 ③今後の対策 等について分かりやすく研修します。